top of page
深翠

2019.07.20

更新日:2021年1月21日

耳に入る音が多すぎた。


小学校に入学する2年ほど前から、私は母方の実家で暮らすようになった。

家にいるのは祖父母と伯母、母と姉と私。

父とは1年に数回会う程度になっていた。

その頃は特に疑問も持たず、俗にゆう単身赴任というやつだと思っていた。

実際はそうではなくて、私が本当のこと知るのは小学3年生になった時だった。

両親が離婚していることを聞いた時、私はあまりピンときていなかったし、

4つ年上の姉が何を考えていたかはわからない。

その事実を知った後、私の耳には父の話が届きやすくなった。

いや、年齢的にも色々なことに敏感な時期だったのかもしれない。

父の評判は驚くほど悪かった。

私が母方の親族に近かったせいだろう。

でも、それからの私は父のことを毛嫌いして、父のことを名前で呼ぶようになった。

さん付けをして、敬語を使って、まるで他人みたいに。

そのとき父が何を思っていたかを聞くのは、もう少し先の話だ。


今日はこの辺で…またお逢いしましょう。

閲覧数:67回0件のコメント

最新記事

すべて表示

2021.08.10

2021.01.22

2020.04.17

Comments


bottom of page